現在、世界中の多くの人々がInstagramやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)を利用しています。その用途は各個人ごと様々で、最近は友人とのコミュニケーションだけでなく、情報収集や新しい人との出会い、自社商品の販売促進のためなどビジネスとして利用している人も少なくありません。また、就職活動で各企業に自分を売り込むための専用アカウントを作り上げている学生もいます。このようにSNSは、多くの分野において様々な使用方法があり、現代を生きる私達の生活に必要不可欠な存在といっても過言ではありません。
しかし一方では、SNSを通じた事件やトラブルが絶えないのも事実です。安易に普段の生活を投稿してしまうと、個人情報の漏洩や様々なサイバー犯罪に巻き込まれてしまう危険性もあります。SNSを利用する際のルールは年々細分化されており、特に投稿する場合はマナーの徹底や見る側への心遣いなどの配慮がより求められています。
今回は、社会人がSNSを使用する際によく遭遇するトラブル事例を紹介するとともに、トラブルに巻き込まれないために押さえておくべきポイントを紹介します。
日本人のおもてなしとSNSの関係性
私達が暮らす日本社会には、「相手の気持ちになって考える」、「周囲に対する気遣いを忘れない」、「あらゆる準備を怠らない」など茶道による教えや古くからの風習によっておもてなしの文化が根付いています。もちろん、現代もおもてなしの文化は続いており、お互いを想いやるという精神は国民の考えや暮らしの中にも浸透しているといえます。
しかし近年、インターネットの登場によって人同士がオンライン上で接することが多くなったこともあり、私達日本人が古来から受け継いできたこれらの小さな心遣いやマナーが徐々に薄れてきているのが現状です。特にSNS(ソーシャルネットワークサービス)が利用され始めたここ十数年でその傾向はより強まっており、SNSに限らず、チャットやメールなど様々なオンラインサービスでトラブルが発生しています。例えば、LINEなどSNS内のメッセージアプリの普及によってやりとりが簡略化したことで、普段使用する単語や文章によっては受け手側の誤解が生じたり、SNSのユーザーを巧みに操る詐欺事件が起きたり、SNS上でのいじめやSNSに関連した殺人事件も起こっています。
それらのSNS関連のトラブルに子供達が巻き込まれないためにも日本では小学校、中学校の義務教育の段階で情報モラル教育が導入されています。しかし、オンライン上では次々と新たな脅威が登場してそれらを悪用した犯罪手口も巧妙化しています。こういったサイバー犯罪を防ぐためのセキュリティ対策や新しいマナーが次々と考えられていますが、現状はその進化のスピードに追いついていません。
また、各SNS上ではそれぞれ独自のマナーが存在していますが、全ての利用者が十分に理解しているとは言い難く、ユーザー同士によるトラブルが度々起こっています。特に高齢者や未成年などSNSに関する知識が乏しいユーザーが詐欺などの被害に遭いやすい傾向があります。さらには働き盛りの社会人の場合も、あまり深く考えずに公私混同してSNSを利用してしまった結果、トラブルになっていることも少なくありません。
SNSで起こるトラブル事例
こちらでは、主に社会人がSNSを利用する際に誤った使用をしてしまったことで起きた主なトラブル事例についていくつかまとめました。
会社の機密情報が漏洩
新入社員をはじめとする若い世代は会社の機密情報に関するリテラシーが薄く、様々なトラブルを引き起こしやすい傾向があります。例えば、社用パソコンを私用目的で使って社内の情報が流出してしまったり、セキュリティ面が脆弱な公共のフリーWi-Fiを使用して会社のサーバーへアクセスした結果、マルウェアなどが侵入してしまい、機密情報が漏洩してしまったなんて話はよく聞きます。SNSを利用する際も同じことがいえ、業務内容を投稿してしまったり、社内の人間関係や愚痴を投稿してしまうなどする人が非常に多いです。サイバー犯罪者はターゲットとなる企業に勤めている個人アカウントを探し出して情報を盗むために様々なサイバー攻撃を企てる可能性があります。
SNS上での炎上
現在、SNS上で問題となっているのは炎上です。炎上とは、SNS上で注目を集めたい承認欲求のあまり問題発言を投稿してしまい、多くのユーザーから集中的に批判など攻撃されることです。SNSの個人アカウントが一度、炎上してしまうと、特定のSNS上だけでなく社会的な信頼を大きく失ってしまうだけでなく、最悪の場合は犯罪者扱いされてしまう傾向があります。日本では過去にSNS上での炎上がきっかけで自殺に追い込まれた人もいます。
会社の評判に悪影響を及ぼす
SNSのプロフィールに会社名を表示していたり、会社や仕事関連のことを投稿している場合は注意が必要です。自分では大丈夫だろうと思って投稿した軽はずみな行動が、実はのちに会社を巻き込んだ大事件に発展する場合も十分ありえます。過去には、会社の飲み会や社内の様子を投稿してしまい、会社の信用が低下したり、情報漏洩などに繋がったケースもあります。もし、SNS上で炎上してしまった場合は批判の矛先は個人だけにとどまらず、勤め先の会社の評判にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があるのでSNSでの仕事の内容や会社について投稿する際は気をつけましょう。
不適切な画像や動画を投稿で社会的信用を失う
日本ではここ数年、不適切な画像や動画を投稿することで炎上する事件が増えています。数年前に大手有名チェーンの飲食店のアルバイトによる不適切な投稿によって、炎上してしまい、会社の信用を著しく下げてしまった例は記憶に新しいでしょう。また、若者による回転寿司店での迷惑行為を動画で撮影してSNSに投稿したことで投稿者が集中砲火を浴びて大炎上し、社会的な信頼を失ってしまった事件もありました。
SNS上でのトラブルに巻き込まれないための注意点
上記では社会人が遭遇する可能性のあるSNS上で想定される様々なリスクを紹介してきました。以下では、SNS上でトラブルを回避するための注意点をまとめました。
SNSに業務内容を詳しく書かない
SNSは不特定多数の人が見ているため、会社の業務内容や機密情報が誰に見られているかわかりません。SNS上でのトラブルを避けるためにも業務内容や会社名などは詳しく書かないようにしましょう。
SNS上に個人を特定できる情報を掲載しない
SNSの投稿は不特定多数のユーザーが見ています。なので、住所や会社名など個人を特定できる情報を掲載してしまうと、サイバー犯罪者に狙われたり、悪意のあるユーザーに攻撃されてしまう危険があります。たとえ公開範囲を限定していたとしても誰がいつあなたの情報を悪用するかわからないので、できるだけ個人を特定する情報の掲載は避けましょう。
SNS上で誹謗中傷をしない
オンライン、オフラインに関係なく、人の批判をしても何もいいことはありません。特にSNSなどオンライン上ではコメントや履歴が残るため、削除しない限りは半永久的に残る場合もあります。たとえ削除した場合でも誰かが保存している可能性もあり、ある程度時間が経った後に第三者が言及し、再炎上するケースもあります。取り返しのつかないことにならないためにも誹謗中傷は絶対にやめましょう。
フォローや友達リクエストは慎重に
軽はずみにInstagramやX(旧Twitter)、Facebookでのフォローや友達リクエストをしてしまうユーザーが一定数いますが、これらの行為は必ずしも好意的に思われるとは限りません。特に仕事関係で知り合った人の場合、仕事とプライベートを分けて考えている人もいるため、嫌がる可能性もあります。フォローや友達リクエストをする際は、相手のことをしっかり考えた上で慎重にしましょう。
一緒にタグ付けする人の許可を取る
公私問わず飲み会などで勝手にタグ付けされたことで、様々なトラブルに発展してしまったケースがいくつもあります。SNSでタグ付けをする際は、たとえ友人同士であっても、本人の許可を得てからしましょう。
フリーWi-Fiを使用する場合はVPNに接続する
駅やカフェなどで使用できるフリーWi-Fiの多くは、セキュリティ面が脆弱なため、サイバー犯罪者が罠を仕掛けている可能性が高いです。もし、そのようなフリーWi-Fiに接続して会社のサーバーなど機密情報にアクセスしてしまうと情報漏洩してしまう危険があるのでできるだけ利用は避けましょう。万が一、緊急時に利用する場合はVPN(仮想プライベートネットワーク)に接続することでインターネット通信が暗号化されるので安全性は高まります。マカフィー社が提供しているマカフィー+はVPNをはじめ、様々なセキュリティ対策機能を使用することができ、お使いのデバイスを保護することができます。
社用デバイスをプライベートで使用しない
会社から支給されたパソコンやスマホなどの社用デバイスでプライベートでするのは危険です。もし、何も考えずに私用で社用パスコンを使ってマルウェアなどが仕込まれたウェブサイトにアクセスしてしまったら社内の機密情報が漏洩してしまう危険があります。会社用、プライベート用問わず、お使いの全てのデバイスの安全面をより向上するためにもマカフィー+のような優れたセキュリティ対策ソフトを導入することをおすすめします。
まとめ
今回は、主に社会人がSNSを利用する際のトラブル事例を紹介するとともに注意すべき基本的なマナーについて言及しました。SNSが社会で使用されるようになって約20年が経ち、わずか数年単位で次々と新しい使用方法が生み出されるのと同時に新たな問題も登場しています。SNSの使い方は人によってだいぶ異なりますが、多くの人が認識している共通のルールが存在しており、今回はその一部を言語化しました。この先の未来、SNSは今以上に様々な方法で使用されることは間違いないですが、それには最低限守らなければいけないルールがあります。SNS上でのトラブルや犯罪に巻き込まれないためにも、SNSを利用する際には上記で紹介したいくつかの注意点を守りましょう。そして、できればマカフィー+のようないくつもの高度で優れたセキュリティ対策機能が使用可能なセキュリティソフトをお使いのスマホやパソコンに導入することがオンライン上で一番の予防策といえるでしょう。